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板金設計のための精密板金豆知識 曲げ加工板材の伸び縮み
前回の記事で、次は曲げの最小高さ(最小フランジ)について書きますなんて言いましたが
まずは、曲げ加工による金属の伸び縮みについて書かないと話がつながりませんでした。
曲げ加工すると金属は伸び縮みします。
しかもこの伸び縮みは、同時に発生します。
以前
こちらの記事
で少し触れましたが、
曲げの内面は、縮み
曲げの外面は、伸びます
曲げモーメント
というのが発生します
これが曲げの加工時、寸法に影響してきます。
上の写真は、
精密板金ワークショップ
で製作しているケースの本体です。
こちらですが、両サイドの立ち上がりが20㎜
真ん中の寸法が70㎜になるように曲げ加工しています。
(外寸計算)
では曲げる前のブランクの寸法はどのようになるのか?
20㎜+20㎜+70㎜で、ブランクの寸法は、110㎜に、、、
と思いがちですが、そうではありません。
板材の寸法は、107.0㎜になります。
これは板材が曲げ加工によって伸びる分を引いてあるからなんです。
*(出来上がり寸法を外寸計算時)
1.0㎜のSUS430の板材の曲げ加工になりますので、
海内工業では一曲げ角に対して1.5㎜引いています。
ですので、20㎜+70㎜+20㎜-(1.5㎜×2)=107㎜ということになります。
*内寸計算の場合は、曲げ前の寸法よりも
縮みますので、補正値は+していく形になります。
この場合は、また数値が変わってきます。
曲げる前の寸法のことを「展開長」
両側の曲げの伸びのことを「両伸び」
両側の曲げの1/2の伸びのことを*「片伸び」
と言ったり、
曲げの「補正値」
と言ったりします。
*実際に加工する際は、「片伸び」の値を
使いますので、このような説明になってしまいます。
この補正値ですが、加工方法、材種、板厚、内R、ダイによって変わってきます。
だいたい、どの加工屋さんも同じになるとは思いますが
曲げがたくさんある部品や±0.1などの公差が入る部品ですと条件が変わってきますので、
ブランク支給での曲げ加工を依頼する時などは注意が必要だと思います。
次回は、曲げの限界高さについてです。
簡単にいうと、ダイに乗るか乗らないかというところなんですが、、、
海内工業の日々の取り組みは
こちら
から
板金豆知識まとめページ
ステンレスのバネ材について
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