2013年1月28日

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板金設計のための精密板金豆知識 曲げ加工限界 曲げと穴位置の関係編


 

曲げと穴位置の限界加工の関係です。

組立て時に、シャフトが通らない、ネジが固くて入らないという時はありませんか?

それは、曲げ加工の際に、曲げ部と穴の距離が近いと、穴が変形してしまうからです。

 もちろん加工の際に修正はしていますが、、、これも大変な作業になります。

 

 

 

なぜ変形するのか?

 

 

それは、曲げ加工が、圧縮の力と引張りの力が1枚の板の裏表に同居した塑性変形だからです。

この縮みと引っ張りがイタズラします。

曲げモーメントで検索すると詳しく出てくると思います。

 

 

 

 

変形

曲げ加工の際の穴の変形

 

穴が曲げの位置に近いと、板の外側は、引っ張られてダレてしまい、内側は、圧縮されてしまいます。

 

 

 

 

曲げ位置と穴の距離関係

 

曲げ限界加工 穴位置と曲げの関係

この穴位置と曲げの位置の限界加工の関係ですが、

 

f(穴の端から曲げの内側の距離)

=板厚×1.5+r(曲げの内R)

 

という式で変形しない距離の位置関係が、求められます。

あくまで参考値ですので、タップや公差の入った穴であれば、

安全を見て+1.0㎜した方が良いと思います。

また、以前書いたダレ側とカエリ側というところも関係しますので、

表面がカエリ側になりますとダレやすくなりますので、注意が必要です。

 

 

 

 

 

どうしても内側に穴必要な場合は

 

曲げの逃げ穴

 

どうしても、この位置よりも内側に穴が欲しい場合は、

写真のような角穴を開けて逃げをつくりましょう。

他にも、変形せずに曲げる方法があるのですが、この方法が一番コストがかかりません。

 

 

少しの工夫で加工コストが変わってきますし、組立て時に、

シャフトが通らない、タップが固いなどの障害も減ると思います。

 

 

 

 

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