2010年12月19日
生物種の多さと、それによって構成されている様々な生態形のバランスが保たれている状態を言いますが、1992年ブラジルで開催された「環境と開発に関する国際連合会議」(地球サミット)で採択された生物多様性条約では、生物多様性を「生態形の多様性」「種の多様性」、「遺伝子の多様性」の3つと定義しています。
【生態形の多様性】
地球上には山、川、海、熱帯雨林、自然林、砂漠、湿原、サンゴ礁・・・・など様々な環境があります。これらの様々な環境があることを「生態形の多様性」といいます。生物は約40億年もの長い時間をかけ進化の過程で、様々な環境(生態形の多様性)に順応するために多様に分化し、それぞれの環境に存在してきました。
【種の多様性】
この地球上には、確認されている生物種はざっと200万種、未確認のものを入れると3000万種とも言われています。このようにいろいろな生物が存在することを「種の多様性」といい、それらの生物が様々な関り合いを持って存在しています。
【遺伝子の多様性】
生物は進化の過程で、変化していく環境に順応するため、暑さに強い固体や乾燥や病気に強い個体など様々な個性をもつことが必要でした。そのため、同じ種の生物であっても生息環境の違いに応じて体の大きさや、行動、器官の発達などに少しずつ違いがあります。このように同じ種の生物でも個体差があることを「遺伝子の多様性」といいます。地球上には、数え切れないほどの生物種が相互に関係を築きながら多様な生態形を形成し、地球環境と私達の暮らしを支えています。自然が長い時間をかけ創り出したこのような多様な状態を「生物多様性」といいます。
・生物多様性への取り組みの意義
【企業の役割】 (生物多様性民間参画ガイドラインより)
生物多様性の恩恵は、上手に使いさえすれば、再生しながら使い続けられるものです。今後も持続可能な形で利用し続けるためには、生物多様性の損出を防ぐ「自然共生社会」の実現に向けて、事業者、民間団体、自治体、国民ひとりひとりがそれぞれの立場で連携を取りつつ早急に行動を起こす必要があります。事業者は、製品やサービスを通じて自然の恵みを広く社会に供給する役割を担っています。直接的に生物資源を扱わない事業者であっても、その事業活動の多くは間接的に生物多様性の恩恵を受け、あるいは影響を与えています。事業者が、消費者を含めた多様な主体と連携しながら生物多様性の保全と持続可能な利用の確保に取り組むことは、社会全体の動きを自然共生社会の実現に向けて加速させるだけでなく、自からの事業を将来にわたって継続していくためにも必要です。
当社の取り組みの第1ステップは、環境方針の中に「生物多様性保全」を取り入れることを環境推進委員会で検討しております。